• Mail
  • Twitter
Profile

2014.02.08

草刈民代×周防正行 夫婦チャット対談

久しぶりですね。

久しぶりって・・・。最近はLINE使ってるでしょ。

そうそう、よくLINE使ってるよね。あの絵のこと、何て言うんでしたっけ?

あの絵って、スタンプ?

スタンプ!スタンプだ。あのスタンプ、面白いよね。って、オバさん発言ですね。そう。うちら夫婦も、いい年してスタンプの応酬してます。

させていただいてます。にしても、そのチャットを、再開した草刈民代ウエッブサイトでまたまた公開するんですか?

LINEの公開はしませんよ。でもこのチャット対談は、新たなWEBサイトの幕開け対談というわけです

了解です。では幕開け対談にどんな話をする?

前回は2009年の終わりでしたね。丸4年過ぎて、私の方は、かなり様変わりをしました。

うん。まあバレリーナじゃなくなったからね。環境が全く違うよね。ぼくは普通に歳をとっただけ。

私も、普通に歳を取っているだけだけど。で、いきなりコレです。

写真撮影:下村一喜

むむ。なんか、恥ずかしい・・・自分の姿は・・・

こういう風に撮るの、珍しいよね。でも、お互いに歳を重ねてきてますなぁ〜。旦那様、風格出てきましたね。

民ちゃんは、やっぱり民ちゃんだよね。こないだ『Shall we ダンス?』見たら、まるで女子大生だと思ったくらい若々しかったけど、それも民ちゃんなら、これも民ちゃんって感じ。ずっと一緒に歳とったからかな。

女子大生はないでしょう。でも、あの頃の顔つき、なんか幼いよね。すでに29歳になっていたというのに。今回WEBサイトの表紙やプロフィール写真、下村さんにお願いしたのですが、旦那さんとのツーショットもお願いしました。どう?こういう写真。いい記念だよね

う〜〜〜こうやって公開しないで密かに見る家族写真ならね。後悔します。

まあ、いいじゃないですか。で、もう一つ。ジャ〜ん!

これ、昔「Shll we ダンス?」がアメリカで公開された時のプロモーション用の写真です。旦那さん、若いですね〜。大学生とは言わないまでも、若い!それにしても、私のお化粧もスゴイですねぇ〜。現地のメイクさんだったんだよね。

うっ・・・ガーン! おいらの恥部。これは今を去ること17年前、『Shall we ダンス?』全米公開のキャンペーンで配給会社が撮影した宣材写真。香港のボクちゃんと香港女優さん。でも、なんで東洋人がアメリカ人にいじられるとこんなになっちゃうの?

白人の化粧の方法論を東洋人にするとこうなる、というような、典型的な感じですね。並べてみると、「17年」という時間の流れを感じるね。

そう? 僕は、そうでもないや。この時の撮影秘話は、拙著『「Shall we ダンス?」アメリカを行く』にくわしいんですけど、なんて本の宣伝みたいだけど、この撮影の日の民ちゃんの仕切りっぷりの男前を思い出して、今でも変わらないやって思いました。

ああ、思い出した。このスーツもかなり派手ですが、これは自前なんだよね。コレを着る前、すごい衣装を着させられていました。前日の打ち合わせで、旦那さんが衣装の事を気にして担当者に聞いても、「こちらで頼むスタイリストは一流の人なので、それなりのものを持って来るはずです」と、すごい高飛車に言われて。なのに、当日持ってきたものを見たら、凄かったですね〜

ほんとだよね。漫才コンビの営業みたいなハデハデ。めげたなあ。そうやってめげてたら、民ちゃんが「嫌なら嫌で着なきゃいいじゃん」って、宣伝担当者にこんなダサイ服着られないから自前でいくって宣言したんだよね。

だって、衣装が気に入らなくて、旦那さんはホントにムッとしっぱなし。それで撮影しても使える写真なんて撮れやしない。ホントにムッとしたまま、撮影されてたんです。イヤなら「イヤだ」と言えばいいのに、それも言わない。なので、見かねて言ったんです。「うちの夫はこの衣装が気に入らない。自前に変えさせてもらいます」と。

へえ。そうどしたな。懐かしな〜。あれから17年か。そりゃ、歳取るわな。でもさ、お互い、そう精神的には歳取ってない気がするんだけど。

そうだね。そこは変わってないね。私は踊りを止めて、ますます自由度が高まっている感じがします!

踊ってた時と、何が一番違う? 生活面とか、精神面とかで。

すべてが違うよね。やっぱり、楽になった部分はある。でも、やっと慣れてきた感じ。踊りのない生活に

楽になったっていうのは、稽古で肉体を追い詰めることがないとか、そういうこと?

踊るのは、肉体だけでなく、精神的にも追い詰める。女優の仕事をさせていただくようになって思うけど、女優とバレリーナは似て非なるものなのよ。

具体的には?

芝居とバレエの違い。言語が存在する表現としない表現の違い。根本はそこだよね。芝居で表現しようとするものと、踊りで表現しようとするものって、根本的に異なるでしょ。言葉から表現が立ち上がるものと、言葉ではなく、音楽や動きで表現を立ち上げていくものの違い。

う〜、難しい。その似て非なるものは面白い?

面白い。でも、役者とダンサーの違いって、想像していたよりもかなりかけ離れている感じがしている。まだまだ、どうしても踊りで獲得してきたことを頼りにしてしまうんだけれど、そうしなくても大丈夫になれたら、更に面白みが増すだろうと思います。でも、いろいろな人になるのは面白い。踊りよりも、人間の生の部分を具体的に表現するものだと思うからね。芝居は。今までとは全く違う。

なるへそ。かつて好評のうちに幕を閉じた「TAMIYO KUSAKARI ウェブサイト」(自画自賛ですが)は、そういう意味では、バレエを通して草刈民代を表現する、その一つのツールだったけど、だとすると新しく始める今回のウェブサイトは、一体、どういうもになるの?

う〜ん、あまり難しく考えない。正直、踊っていた時は、「バレリーナ」であることを背負っていた部分があったからね。私なりに、バレエや、バレリーナであることを、ありのまま伝えることを大事にしていました。今思えば、踊っていた頃は私個人よりも、バレリーナである事のほうが大事だったというか。子供の頃からバレエのことしか考えていなかったから、それが全てだと思っていたけれど、いざ止めてみると、自分って何なんだ?なんて考えてしまうこともありました。なので、今はもっと楽に、気の向くまま、その時に感じたことをお伝えしていこうかな、と。前回と同じように、月一回、エッセイを書いていこうと思います。たまに夫婦対談をしたいので、そのときはよろしゅうおたのもうします。

へえ、そうさせていただきます。きっとやっているうちに楽しいアイデアも生まれてくると思うので、少しでも楽しいサイトになるようお手伝いさせていただきます。

エッセイだけでなく、何か面白いことを思いついたら、なんでもやってみようと思ってま〜す!

というあたりで、再開1回目の夫婦チャット対談もおしまいですか?

はい!おおきに。次回は今秋公開予定の「舞妓はレディ」についてお話いただきましょうかね。

え〜! 宣伝色丸出し!

Back
to
Top